笛吹川の宝石をこの手に

平成15年9月30日(火) シーズン最終日 晴れ

【渓流 バカなが隊がゆく】 2003年釣行記部門でインパクト大賞受賞
今日9月30日は、笛吹川での渓流釣りの最終日である。

いつもの様に仕事も早く終わり、いや、早く終わらせて川に向かう。
最終日、気合いは十分!釣行時間は2時間程だろうか、家で支度をしながら場所を考える。
勿論!
仕事の最中も考えていたのだが、今年最後の釣行なので決まらない・・・

悩んだ末、ヨシ!あの場所へ行こう!!となった。

川に着くと釣り人は居ない、川の状態は前回の釣行の時より減水である。
減水となれば川が渡れる、そして最高のポイントに行ける!と思い、川の中を歩いた。

ポイントに着くや早速支度をし、願わくば最終日に最良の大物を!と気合いだけは十分なのだが、ソコはモンキチのことである、気持ちは空回り、魚は空振りなのだ。
それでも粘る、粘る、ねば〜る、あきらめた・・・。
一級ポイントを後にし、気分一転ポイントと思う場所(あくまで魚が居るであろう場所なのだが、本音を言うとイマイチ判らん)を片っ端から攻める。

小さいのは出る、可愛いのも出る、今期最後なのにもかかわらず情けない。
所詮こんなモノなのか・・・俺の腕は・・・・。

と、思っていると、ようやく釣れましたぁ〜よ、ナイスサイズである。

ナイスサイズといっても、9寸は無かったと思うが、それでもココまでの大物賞!!
綺麗な魚体にウットリだ。


この時既に4時半を少し過ぎていただろうか・・・半ばあきらめ気味である。



しかし、ココからは何時もと少し違う、じゃあ無い、全然違った。
暗くなり目印が見えなくなるまで、どう考えても1時間程だろう、「最後だ、一ヶ所で粘ろう!」と思い直し場所を移動である。
吉と出るか、凶と出るか?本来、私の釣りのスタイルは粘らないのである。
と、いうか落ち着きがないため、その上にモノスゴ〜ク飽き性のせいもあり、一ヶ所で粘る釣りは出来ないのであるが、今日は違った。

同じ場所で粘っていても余り飽きない、それより何より大物が釣れそうな気がしてこの場所を離れられなかったのである。

どの位の時間が経ったのだろう?

スゥ〜と目印が風にながされる様なアタリ、すかさず合わせると、水中にある枝が水面に上がってくる様な感触だった。

「ん!?ゴミじゃ無いぞ!」その瞬間だ!
走る、走る、デカい、溜める、寄らない・・・足場が次第に悪くなる。

竿を立てながら数十メートル移動しながらの魚との格闘!糸は0.3号であるため一瞬でも気を抜けない。
数分の格闘の末、なんとか流れの緩やかな場所に魚を移動することが出来た。

でも、ここからが本当の勝負である。

なにせデカい!いくら竿を立ても一向に寄って来る気配はない、これ以上無理をすると切れる!という不安や、他の場所に走られたりしたらコイツの顔は拝めない・・・と思う気持ちが頭の中を駆けめぐった。
我ながら思ったのだが、この時の集中力といったらもの凄いものだった。
例えば勉強に使うと(絶対無理なのだが)東大にでも受かる程の集中力であったろう(笑)

数分後・・・・

笛吹の宝石とも言えるコイツと出会えることが出来た。
残念ながら写真では鼻先に土が付いてしまっているが、40pの鼻曲がりのアマゴである。

渓流釣りを始めて10年、本流釣りを本格的に始めて数ヶ月、この様な未熟者にも笛吹は最後の最後に微笑んでくれた。

この撮影の後、友人達に端から電話をかけまくり自慢したことは言うまでも無いであろう。
そして、この宝石は3ヶ月後に剥製となり我が手の中に戻ってくる。


●あとがき
今期の釣行記はこれで終わり・・・ふり返ってみると、様々な楽しいことが思い出される。
解禁当日から事件を起こし(詳細はコチラ)今期が始まったのであるが、このHPを通じて知り合えそして笛吹川に一緒に釣りをして頂いた方々には感謝している。
その影響もあって本格的に本流釣りを始め、最後の最後に写真にある様な立派な渓流魚を釣り上げることが出来た。
HPに書くことを今まで躊躇していたのだが、実は私のホームグランドである笛吹川は余り評判が良くない河川の一つで、第一に川が汚い、そして魚が釣れないと理由から県内の川の中では敬遠され
がちな川である。
この様な理由と成魚放流が多いと言うことから、私も笛吹川の傍らに住みながらも本流には余り目が向かなかった事は事実である。今思えば非常に恥ずかしいことだ。
こんな綺麗な魚が住み、私の様な未熟な釣り師にも釣れる川を大切にしていこうと思う。
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